ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「台湾先住民」の意味・わかりやすい解説 台湾先住民タイワンせんじゅうみんFormosan タイワン (台湾) 島およびその付属島嶼の先住民族。人口は全体でおよそ 40万。中国ではカオシャン (高山) 族あるいは山胞と呼ばれている。形質的にはプロト・マレー人系で,言語的にはオーストロネシア語族に属する。普通,漢民族化したペイポ (平埔) 族と,そうでない諸民族に分類されるが,前者は漢民族とほとんど変らない生活をしており,後者はさらにタイヤル,サイシヤット,ブヌン,ツオウ,ルカイ,パイワン,プユマ,アミ,ヤミの諸民族に分れる。近来,水田耕作を行う民族もあるが,伝統的な生業は焼畑による粟,陸稲などの栽培で,特に粟に関する農耕儀礼は祭儀生活の基本となっている。ただし社会組織や文化は民族間でかなり異なり,ブヌン,パイワンでは父系制,アミでは母系制である。ルカイ,パイワンでは貴族と平民とに階層分化し,世襲的首長制がみられ,プユマなどでは年齢階梯制が発達している。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by