ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
父系制
ふけいせい
patriliny
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財産や地位、諸権利が父から子供へと継承される形式を父系とよぶが、とくに親族集団への帰属権が父を通して継承され、このような父系出自集団が社会的・政治的に重要な機能をもっているような社会を父系制社会とよぶ。もっともこの用語は、元来かなり漠然と用いられる傾向にあり、同じ父系制とよばれる社会のなかにも、父系出自集団が単に婚姻規制のみにかかわっているだけのものから、共有財産をもち、よく組織され、政治的、経済的にきわめて重要な集団として機能している中国の宗族(そうぞく)のようなものに至るまで、さまざまである。また日本は、親族のカテゴリー認知においてはむしろ双系的であるにもかかわらず、相続の様式と家父長制の事実によって、父系制社会のなかに数えられたりすることもあり、混乱のもとになっている。
出自集団の存在という意味での父系制は、父権制や父方居住といったものとは区別して考える必要があるが、同じ単系出自をとる母系制の場合と比べると、父系制、父権制、父方居住がかなりの程度重なり合って現れることは事実である。つまり父系制は、同じ出自をもつ男性成員を居住単位としてもひとまとめにしておくことが、母系制の場合に比べて容易であるとはいえる。このことが、単系出自をとる社会のなかで父系制のほうが圧倒的に数多くみいだされることの一つの理由かも知れない。
父系出自集団は、そのあり方によって、リネージ、氏族、胞族などのさまざまな形をとる。かって「未開」とよばれた諸社会では、これらが政治の唯一の枠組みとなっていることも多い。南スーダンのヌエルの人々の分節リネージ体系などが例として有名である。もちろん中国の宗族のように、中央集権的な体制のもとでも機能をもち続けている場合もある。
[濱本 満]
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…家族内のいっさいの権威は家父長にのみ帰属する(父権制)。家族の財産(土地と動産)はすべて家父長によって専有され,父から息子へと相続される(父系制)。このような家族類型は,とくに遊牧民族,とくに古代においてしばしば見られるが,しかしその典型は,法的透徹性ゆえに古代ローマに求められるのが通例であろう。…
※「父系制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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