山川 世界史小辞典 改訂新版 「司教座聖堂参事会」の解説
司教座聖堂参事会(しきょうざせいどうさんじかい)
Cathedral Chapter
西欧中世において司教座を管轄する参事会員(canonicus)と呼ばれる一群の聖職者たちの団体。参事会とは,元来は修道院で日常的に行われた修道士たちの集会を意味していた。通常,聖堂参事会の長は参事会員たちにより選出され,司教により任命された。聖堂参事会は都市において独自の資産を持ち,その資産からの収入は参事会員たちに禄として与えられた。聖堂参事会は,また教会法のもとに置かれた団体であり,中世後期のフランスの都市では大学の規約作成にかかわることもあった。参事会員は都市内においては市民とは区別された特権的住民であった。都市の団体としての都市参事会の存在は,中世において初期の団体法の発展にも貢献することになった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報