朝日日本歴史人物事典 「吉川五明」の解説
吉川五明
生年:享保16(1731)
江戸中期の俳人。幼名は伊五郎,通称,宗七郎,本名は兄之改め祐之,字は了阿。初号鼠河。別号,小夜庵,了閑亭,虫二房など。秋田の豪商那波三郎右衛門祐祥の5男として生まれ,同地の富商吉川惣右衛門吉品の養子となる。父の影響で幼いころより俳諧に親しみ,美濃派にひかれたが,23歳のころからは蕉風を志した。明和ごろ(1764~72)から俳名があがる。天明2(1782)年52歳で家督を譲り,俳事に専心した。岩間乙二,常世田長翠,小野素郷と共に奥羽四天王と称せられ,秋田蕉風の祖と仰がれた。代表句は「降る中へ降りこむ音や小夜しぐれ」など。<参考文献>『吉川五明集』上下(秋田俳書大系)
(加藤定彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報