吉祥園寺(読み)きつしようおんじ

日本歴史地名大系 「吉祥園寺」の解説

吉祥園寺
きつしようおんじ

[現在地名]貝塚市王子

真言宗御室派で珀谷山と号し、本尊十一面観音。寺伝によると奈良時代の開創という。「日本霊異記」巻中に、和泉郡血渟ちぬ山寺に来住した優婆塞が、同寺の吉祥天女像を恋い慕った話がみえる。血渟山寺は施福せふく(現和泉市)に比定されており、施福寺の記録によると、この吉祥天女像は山内吉祥院に祀られていたが、のちに近木こぎ郷の吉祥園寺に移ったという。吉祥園寺の初見は建仁元年(一二〇一)「後鳥羽院熊野御幸記」で、熊野詣の院一行の同年一〇月七日の昼養所が「コ木ノ二王堂云々、吉祥音寺云々」であった。二王堂もおそらく吉祥園寺内だったと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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