化学辞典 第2版 「同期計数回路」の解説
同期計数回路
ドウキケイスウカイロ
coincidence circuit
同時計数回路ともいう.一つのパルスに引き続いて一定時間内にほかのパルスが到来したときにのみ出力パルスを出す回路.この一定時間のことを分解時間といい,実験の目的にもよるが,通常,1~2 μs 以下である.この回路は放射能測定の分野では広く用いられている.たとえば,β崩壊に引き続いてγ線を放出する核種の絶対測定において,β線検出器とγ線検出器からのパルスを同期計数回路に導き,β線およびγ線をそれぞれ独自に測定して得られる関係式と合わせて,合計三つの方程式を得れば,β線およびγ線に対する計数効率を式の上で消去することができる.この方法をβ-γ同時計数法という.そのほか,複数個の検出器をある方向に配置して同期計数回路に接続すれば,一定方向からの粒子のみを計数することができる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報