朝日日本歴史人物事典 「名倉太郎馬」の解説
名倉太郎馬
生年:天保11.5.5(1840.6.4)
明治期の農事指導者。遠江国山名郡松袋井村(袋井市)の兼子家に生まれ,のち同郡彦島村の名倉太右衛門の養子となる。明治5(1872)年窮乏した松袋井村の復興を報徳仕法により実施するとともに,官費と報徳金を借り入れて同村および彦島村の常習水害地33haの道路,水路,畦畔改良工事を内容とする集団的区画整理事業に着手,8年これを完成させた。名倉太郎馬が先鞭をつけた区画整理法は,のち同地方の鈴木浦八らに継承され,「静岡式」と呼ばれる区画整理法に集成される。<参考文献>小川誠「耕地面積の増大と耕地整理事業の胎動」(『日本農業発達史』1巻),『袋井市史』史料編4巻
(海野福寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報