名栗川(読み)なぐりがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「名栗川」の意味・わかりやすい解説

名栗川
なぐりがわ

荒川の支流入間川(いるまがわ)のうち埼玉県飯能市(はんのうし)の岩根橋から上流の部分をいう。秩父(ちちぶ)山地東縁の蕨山(わらびやま)付近に源をもち、南東流して飯能市街に至る。長さ約24キロメートル。流域一帯は、西川材とよばれる有名な林業地で、両岸にはスギ、ヒノキが植林されている。また、流域の一部は名栗渓谷で、奇岩と渓谷美に富み、観光客でにぎわう。

[中山正民]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の名栗川の言及

【入間川】より

…全長67.3km,秩父盆地と境する妻坂峠(標高約800m)に源を発する。名栗村を経て飯能市の岩根橋までの上流部は,名栗川と呼ばれていたが,最近は入間川の名で統一されている。上流部は秩父山地の谷間で,杉,ヒノキを中心とする西川材の産地である。…

【奥武蔵】より

…名称は武蔵野台地の奥の山地という意味で,第2次世界大戦前,西武池袋線の前身武蔵野鉄道が観光宣伝のため使いはじめたのが,1951年県立奥武蔵自然公園を設定してから,広く普及した。秩父古生層よりなる山地を流れる高麗(こま)川と名栗川(入間川上流)は清流と渓谷美に恵まれ,正丸峠,刈場坂峠,顔振(こうぶり)峠や伊豆岳,天覧山,日和田山などの景勝地があり,子ノ権現,竹寺,高山不動,聖天院,高麗神社,能仁寺などの由緒ある社寺も多い。西武秩父線や国道299号線が通じ,奥武蔵自然歩道や奥武蔵グリーンラインなどのハイキングコースも開かれ,行楽客でにぎわう。…

※「名栗川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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