日本大百科全書(ニッポニカ) 「名栗」の意味・わかりやすい解説
名栗
なぐり
埼玉県南部、入間郡(いるまぐん)にあった旧村名(名栗村(むら))。現在は飯能市(はんのうし)の西部を占める一地区。2005年(平成17)飯能市と合併。旧村域は、秩父(ちちぶ)山地東部にあたり、南北に縦断するように入間川の上流名栗川の渓谷が続き、幅の狭い谷底平野が発達している。名栗川に沿って県道青梅(おうめ)秩父線が通じる。江戸時代以来、スギ、ヒノキの林業地として名高い西川材の産地であるが、過疎化のため、新産業の育成が課題となっている。全域が県立奥武蔵(むさし)自然公園内にあり、渓谷美、森林美に優れ、温泉もある。有間ダムによってつくられた名栗湖畔にはカヌーを作製するカヌー工房がある。鳥居観音、キャンプ場などがあり、観光に力を入れている。
[中山正民]
『『名栗村史』復刻版(1982・名栗村)』