大学事典 「名誉学位」の解説
名誉学位
めいよがくい
学位は,大学・大学院の課程を修了し,一定以上の学術・研究上の能力を有することの証明として,大学教授団による審査を経て授与されることを通例とする。これに対して,上記のプロセスを経ずに,社会的な功績を顕彰する目的で大学等の学術機関から授与される名誉称号を総称して名誉学位という。学術研究のみならず,教育,芸術,文化などさまざまな領域における顕著な功績が顕彰の対象とされている。日本では,名誉学位について法令上の根拠規定はなく,各大学が学則等で授与要件等を規定しているが,教育課程の修了者に授与される通常の学術的な学位とは,名称等において区別が可能な形態で授与されることが一般的である。大学院制度が発達する以前の19世紀のアメリカ合衆国では著名人,大学への大口寄付者などに博士号(名誉博士(アメリカ))を授与することが慣例化し,学位の質や社会的通用性をめぐって議論が引き起こされたという。
著者: 濱中義隆
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報