向山北遺跡(読み)むかいやまきたいせき

日本歴史地名大系 「向山北遺跡」の解説

向山北遺跡
むかいやまきたいせき

[現在地名]野洲町大篠原

蒲生がもう竜王りゆうおう町域にかけて分布する鏡山かがみやま窯跡群のうちの成橋なるはし支群向山北小支群に接し、丘陵北麓一帯の平地に広がる。昭和五七年(一九八二)の発掘調査により、古墳時代後期を中心とする時期の土壙一六〇・掘立柱建物跡一・溝などの遺構が発見された。土壙はほぼ同じ形態をもち、互いに重複することなくある程度の間隔をおいて分布している。平面形は円形か楕円形を呈し、下半部は垂直近く掘込まれたものが多く、底面は水平に近い。出土遺物から六世紀中頃から七世紀初頭のものと考えられる。土壙群の性格については、貯蔵穴・墓地などの説もあるが、須恵器生産にかかわる陶土か窯壁粘土を採取した穴とする見方が有力視されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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