朝日日本歴史人物事典 「向山周慶」の解説
向山周慶
生年:延享3.9.16(1746.10.30)
江戸中期,讃岐国(香川県)大内郡湊村の医師。讃岐糖業の祖。高松藩主松平頼恭は宝暦(1751~64)ごろに砂糖生産に注目し,藩医池田玄丈に研究を命じた。玄丈のあとを向山周慶が継ぎ,寛政1(1789)年冬,砂糖製造に成功。このときは黒砂糖ではなかったかという。周慶は京都遊学中に薩摩の人と交際を深め,また四国巡礼の途次病にかかった薩摩の人関良助を助け,彼らの援助によって砂糖製造が成ったと伝えられる。寛政末ごろには,高松藩特産の雪白の白砂糖が製造されていた。享和3(1803)年,藩の薬坊主として召し抱えられた。<参考文献>岡田唯吉『讃岐製糖史』
(木原溥幸)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報