向腹(読み)むかいばら

精選版 日本国語大辞典 「向腹」の意味・読み・例文・類語

むかい‐ばらむかひ‥【向腹】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 本妻の腹から生まれること。また、その子。むかいめばら
    1. [初出の実例]「むかひはらの三郎君、十ばかりなるに」(出典:落窪物語(10C後)一)
  3. 正妻と妾とが同時に懐胎すること。〔日葡辞書(1603‐04)〕

むかっ‐ぱら【向腹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「むかばら(向腹)」の変化した語 ) わけもなく腹立たしく思う気持。「むかっぱらが立つ」「むかっぱらを立てる」の形で用いる。
    1. [初出の実例]「己(おら)ァこんなむかっ腹を立てる気象だが」(出典真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉八二)

むか‐ばら【向腹】

  1. 〘 名詞 〙むかっぱら(向腹)和玉篇(15C後)〕
    1. [初出の実例]「生得正直者にて、むか腹(バラ)をたてども邪な心なく」(出典:滑稽本・古朽木(1780)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む