呉織/呉服(読み)クレハトリ

デジタル大辞泉の解説

くれ‐はとり【織/服】

《「くれはたおり」の音変化。「くれはどり」とも》
[名]
上代、漢織(あやはとり)とともに中国の呉(ご)の国から渡来したと伝えられる織工。
1がもたらした技術で織った綾模様のある絹織物。
「五彩の―、錦の縁(へり)の五尺の屏風四帖をもて」〈性霊集・三〉
[枕]美しい綾のあるところから、「あや」「あやに」「あやし」にかかる。
「おぼつかないかにと人の―あやむるまでに濡るる袖かな」〈山家集・中〉

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大辞林 第三版の解説

くれはとり【呉織】

( 名 )
〔「はとり」は「はたおり」の転〕
上代、中国の呉から渡来したといわれる織工。
の伝えた技術による織物。 「 -といふ綾を二むら包みて遣はしける/後撰 恋三詞
( 枕詞 )
呉の織女の織る綾あやの意から、同音の「あや」にかかる。 「 -あやに恋しくありしかば/後撰 恋三

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世界大百科事典内の呉織/呉服の言及

【織手】より

…広い意味では織物の織成に従事する技術労働者全体をさすが,古代・中世には平織(ひらおり)の絹や絁(あしぎぬ)ではなく,より高度な技術を要する錦,綾,羅(うすはた)などの高級織物の織成にたずさわる技術労働者に限定して用いられる場合が多い。その源流は中国,朝鮮半島から渡来した技術者集団であり,律令期以前には錦部(にしごり),漢織(あやはとり),呉織(くれはとり)などとよばれた。大宝令制によると,宮廷需要をまかなうために大蔵省所管の織部司(おりべのつかさ)に技術官人として挑文(あやとり)(養老令制では挑文師(あやのし),挑文生(あやのしよう))が置かれ,配下の品部(しなべ)である染戸(そめへ)570戸のうちに錦綾織,呉服部(くれはとり),川(河)内国広絹織人が掌握されていた。…

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