周期性傾眠症(読み)しゅうきせいけいみんしょう(英語表記)periodic somnolence

改訂新版 世界大百科事典 「周期性傾眠症」の意味・わかりやすい解説

周期性傾眠症 (しゅうきせいけいみんしょう)
periodic somnolence

数日から数週間持続する傾眠(入眠傾向が異常に亢進した状態)を数ヵ月から1~2年の間隔で反復する病気。傾眠期にも食事や排便はできるが,無気力で茫然としており,後に健忘を残す。覚醒させても脳波に基礎律動の徐波化を証明し,傾眠の基盤に軽い意識障害の存在を推定させる(高橋康郎,1965)。睡眠自体は浅く長くなること以外に異常はない。青年男子に多く,登山,引越し,感冒などの心身のストレスで誘発される。既往歴に高熱疾患や頭部外傷があるものが多い。脳障害の既往誘因,意識障害の存在は覚醒機構の脆弱(ぜいじやく)性とその破綻(はたん)を推定させる。病的飢餓ともうろう状態を伴うものはクライネ=レビン症候群といい,本症の亜型とされる。30歳ころまでに軽快することが多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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