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頭部外傷 とうぶがいしょうhead injury

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

頭部外傷
とうぶがいしょう
head injury

頭部に打撃が加えられたことで発生する病態の総称。頭部軟部組織損傷,骨折など種々あるが,臨床上重要なものは脳そのものの破壊で,脳挫傷頭蓋内血腫 (とうがいないけっしゅ) である。頭部外傷の急性症状から回復したのちに残存する症状を頭部外傷後遺症という。慢性硬膜下血腫外傷性てんかん,陥没骨折 (→頭蓋骨折 ) ,脳損傷による片麻痺,脳神経麻痺,頭痛,めまい,外傷性神経症などが含まれる。なお,頭部外傷は全交通事故死因の 70%を占めるほか,出生時にも生じる。

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百科事典マイペディアの解説

頭部外傷【とうぶがいしょう】

頭部に外力が働いて頭皮・頭骨・脳に生じた損傷。問題となるのは脳の損傷で,後遺症を呈することが多い。脳外傷には開放性外傷と閉鎖性外傷があり,主症状は意識障害。前者は硬膜が破れて脳に挫滅(ざめつ)傷がみられ,感染をきたしやすく脳膿瘍(のうよう)などの合併症を起こすことがある。
→関連項目脳波めまい

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家庭医学館の解説

とうぶがいしょう【頭部外傷 Head Injury】

◆けがのチェック・ポイント
 頭部外傷は、受傷直後の対応のしかたによって、予後が大きく変わってきます。対応が悪かったために、後遺症が重くなったりすることもあるのです。
 頭にけがを負った人に出会ったら、適切に対応することがたいせつです。
●まず意識の状態をチェックする
 頭部外傷は、交通事故、転落、転倒、墜落、けんか、スポーツなどによっておこりますが、まずその原因を確認することがたいせつです。衝撃の強度や加速度、方向によって、さまざまな病状を呈するからです。
 また、交通事故の場合は頭部だけではなく、頸椎(けいつい)や腹部(内臓)に出血や損傷があったり、転落した場合では骨盤(こつばん)や四肢(しし)(手足)などを骨折していることが多いものです。
 つぎに、意識障害の程度を確認します。意識障害の程度がすなわち病状の重さとなります。
 障害の程度は、以下のような代表的な分類方法(3・3・9度方式)を用いて評価されます。点数の大きい項目ほど障害の程度が大きいものです。
Ⅲ群 刺激しても覚醒(かくせい)しない
300 痛み刺激にまったく反応しない。
200 手足を動かしたり顔をしかめる。
100 払い除ける動作をする。
Ⅱ群 刺激すると覚醒する
30 痛み刺激を加えつつ呼び掛けをくり返すとかろうじて開眼する。
20 大きな声で呼び掛けたり、からだを揺すると開眼する。
10 ふつうの呼び掛けで開眼する。
Ⅰ群 覚醒している
3 名前、生年月日が言えない。
2 見当識障害(けんとうしきしょうがい)(自分のいる場所や時間などの認識ができない)がある。
1 だいたい意識清明だが、いまひとつはっきりしない。
 意識の障害がある場合はもちろん、意識がはっきりしていても、緊急の処置が必要なことが多いものです。ですから、できるだけ早く脳神経外科を受診しましょう。
 意識がない場合は、舌が奥へ縮まって、気道(きどう)をふさいだりすることがあるため、気管の中に管を挿入するなどして、気道の確保を行ないます。
頭部外傷の検査
●重症のとき
 意識障害が強く、ほかのバイタルサイン(血圧、脈拍(みゃくはく)、呼吸、体温など(コラム「バイタルサインとは」))に異常のみられるときは重症で、気道確保(きどうかくほ)、人工呼吸、心臓マッサージなどの一次救命処置のうち、必要なものがただちに開始されます。
 軽症でも、意識障害、瞳孔不同(どうこうふどう)、手足のまひのあるときは、重症の場合と同様な処置を講じます。
 そして、呼吸、心臓、血流などの状態をモニター(監視)しながら頭部CTで頭部を撮影します。
●軽症のとき
 意識が正常で、症状のないときは、頭部の単純X線撮影が行なわれます。
 意識が正常でも、頭痛、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)などの症状があるときは、できれば当日、遅くても翌日には頭部CTが必要になります。
 これに加え、頭部を4方向から写す頭部単純X線撮影が行なわれることもあります。
頭部外傷の種類と治療
 頭部外傷でおこる損傷には、以下にあげるようなものがあります。
 頭部CTで撮影すると、脳や頭蓋骨(ずがいこつ)の損傷の程度が詳しくわかるので、その程度に応じた治療が行なわれます。

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