六訂版 家庭医学大全科 「周期性嘔吐症」の解説
周期性嘔吐症
しゅうきせいおうとしょう
Cyclic vomiting
(子どもの病気)
どんな病気か・原因は何か
周期性嘔吐症とは仮の診断名であり、最終診断名ではありません。
本症を構成する疾患として、内分泌異常である
最終診断が確定すると、周期性嘔吐症から新たな診断名がつき、治療も対症療法から根治的治療に移る可能性が高くなります。周期性嘔吐症は嘔吐によって二次的に
発症の平均は5.3歳ですが、新生児や成人での発症もみられます。5~10歳の小児の約2%に発症するという報告もあります。
症状の現れ方
元気だった子どもが急にぐったりして、
発作の引き金として、感染(
検査と診断
先にあげた症状がみられた場合、前記の疾患と区別するため、各疾患に特異的な徴候と検査所見を根拠に診断します。ほぼ共通して、尿検査でケトン体が陽性となります。
治療の方法
治療は、安静と輸液で全身状態を安定させ、対症療法を行いつつ確定診断のための検査を進め、診断が確定したら可能な限り根治療法を行います。吐物が
合併症としては、水分摂取が不十分となり脱水になることがあげられます。予後は確定診断された疾患に左右されますが、いずれの場合も生命予後は良好です。
病気に気づいたらどうする
しばらく安静を保っても症状が改善しない場合は、小児科を受診してください。もし、かかりつけ医の指示があるなら、それに従ってください。
春名 英典
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報