周転円説(読み)しゅうてんえんせつ(その他表記)epicycle theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「周転円説」の意味・わかりやすい解説

周転円説
しゅうてんえんせつ
epicycle theory

ギリシア時代に地球を中心として (固定して) 複雑な惑星の運動を記述するために考えられた学説の一つ。地球を中心とする誘導円の円周上の1点を中心とするもう1つの円を考え,後者,すなわち周転円の円周上を惑星が動くとした。これによって地球と惑星との間の距離の変化や角度速度の変化が説明できる。ヒッパルコスに始り,プトレマイオスによってこの説が確立され,観測天文学の進歩に役立ったが,究極的には太陽を中心とするコペルニクス地動説に座を譲ることになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android