普及版 字通 「咢」の読み・字形・画数・意味
16画
(異体字)咢
9画
[字訓] おどろく
[金文]
[字形] 会意
(しゆう)+犬。口は祝の器((さい))。犬は獣牲。(器)と同構の字であるが、は祓禳を加える意で、その清めた祭器をいい、は祝告する意で、やかましく祈りたてることをいう。祈りたてて神霊をおどろかす意。〔説文〕二上に正字をを作り、(ぎやく)声。のち咢の字形で行われる。金文にに作り、がその初形。
[訓義]
1. おどろく、おどろかす。
2. やかましい、さわがしい。
3. はおごそかなさま。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 カサヌ・オドロク 〔字鏡集〕咢・ オドロク・オドロカス・ウタフ・カサヌ・アキ
[語系]
(咢)・・愕ngakは同声。みなおどろく意がある。
[熟語]
運▶・音▶・▶・▶・神▶・然▶・兆▶・夢▶・▶
咢
9画
(異体字)
12画
[字訓] やかましい
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
正字はに作り、(ぎやく)声。〔説文〕二上に「(やかま)しく(うつた)ふるなり」とし、〔玉〕に「咢するなり」という。金文に字をに作り、祝の器である(さい)を四個列し、その中央に犬牲らしい牲獣をおく。すなわちさわがしく祈りたてる意である。はその擬声語であろうが、あるいは牲獣の形から変化したものかも知れない。
[訓義]
1. やかましくいのる、やかましくいい争う。
2. おどろくような声、おどろく。
3. うたう、鼓楽する。
4. 諤と通じ、直言する。
5. 鍔と通じ、鋒刃。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕咢 オドロク・ウタフ・ナク/ カサヌ・オドロク 〔字鏡集〕咢・ アキ・ヲドロク・ウタフ・カサヌ・ヲドロカス
[声系]
〔説文〕に声として・・鄂の三字を収めるが、他に諤・愕・などがある。〔玉〕に「諤は正直の言なり」、〔広雅、釈詁一〕に「愕はくなり」とみえ、咢声の字に驚呼・喧譟の意をもつものがある。
[熟語]
咢咢▶・咢然▶
[下接語]
歌咢・驚咢
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報