咽頭腫瘍(読み)いんとうしゅよう(その他表記)neoplasms of the pharynx

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「咽頭腫瘍」の意味・わかりやすい解説

咽頭腫瘍
いんとうしゅよう
neoplasms of the pharynx

上中下の各咽頭に生じる良性および悪性腫瘍。発生部位によって,腫瘍の性質や治療の方針などが違ってくる。上咽頭では上咽頭線維腫など比較的良性のものもあるが,臨床上しばしば問題となるのは上咽頭 (鼻咽腔) 癌である。いわゆる移行細胞癌が最も多く,悪性リンパ腫,分化型扁平上皮癌がこれに次ぐ。中咽頭にもいくつかの良性腫瘍が生じる。悪性腫瘍としては,口蓋扁桃ではおもに悪性リンパ腫,前・後口蓋弓では扁平上皮癌が多い。下咽頭には良性腫瘍はまれで,悪性腫瘍は癌腫が多い。上咽頭癌は頑固な滲出性中耳炎頸部リンパ節腫脹などが最初に現れることが多いので,原発部位が見逃されやすい。中咽頭腫瘍も,初期には扁桃炎や咽頭潰瘍との鑑別が重要になる。下咽頭癌の初期症状は咽喉部の軽い異常感のことが多い。

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