鼻咽腔(読み)びいんくう(その他表記)nasopharynx

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鼻咽腔」の意味・わかりやすい解説

鼻咽腔
びいんくう
nasopharynx

鼻腔に続く上気道の一部で,上方頭蓋底下方硬口蓋の高さまで,前方は後鼻孔で鼻腔と連なる。解剖学的には,咽頭鼻部として咽頭の一部に入れられている。上壁には特に幼児期にリンパ組織 (咽頭扁桃) が発達している。その両外側には耳管扁桃と耳管咽頭口があり,耳管隆起を形成している。鼻咽腔は,吸気が直接流れ込んで後壁に当り,下方に向きを変える場所であるために,炎症が起りやすい。良性悪性腫瘍も原発する。

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世界大百科事典(旧版)内の鼻咽腔の言及

【咽頭】より

…咽頭は上咽頭,中咽頭,下咽頭の三つの部分に分けられる(図)。
[上咽頭]
 鼻腔に続く口蓋のレベルより上の部分を鼻咽腔あるいは上咽頭といい,中耳腔に通じる耳管の開口部がある。子どもの場合,ここにアデノイドがあり,アデノイドが増殖すると耳管を圧迫して狭窄をおこし,難聴の原因となる。…

※「鼻咽腔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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