唐令拾遺(読み)とうれいしゅうい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「唐令拾遺」の意味・わかりやすい解説

唐令拾遺
とうれいしゅうい

西域(せいいき)発見の唐令断簡や『唐六典(とうりくてん)』『通典(つてん)』など膨大な和漢の書籍から、唐令の佚文(いつぶん)および相当文を拾い集め、亡佚(ぼういつ)した原典体系条文復原するとともに、唐の前後の令佚文をも集めて史的研究を行った著作。仁井田陞(にいだのぼる)著。復原唐令は715条に上り、開元令の条数を基準にするとほぼ半数にあたる。利用の際は序説凡例を読み、復原の原則を理解することがたいせつ。1933年(昭和8)東方文化学院東京研究所刊。64年東京大学出版会から再版

岡野 誠]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唐令拾遺」の意味・わかりやすい解説

唐令拾遺
とうりょうしゅうい

仁井田陞の編纂した書物の名。 1933年刊。諸書から逸文を拾い集めることによって,今は散逸した唐令を復元した書。近時諸学者によって若干の逸文の追補訂正がなされているが,中国法制史のみならず,日本法制史の基礎的文献であることにはかわりがない。

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世界大百科事典(旧版)内の唐令拾遺の言及

【仁井田陞】より

…東方文化学院東京研究所研究員,東大東洋文化研究所教授を経て,同所長。《唐令拾遺》(1934年学士院恩賜賞),《唐宋法律文書の研究》(1937),《支那身分法史》(1942)の大著で日本の中国法制史研究の水準を格段に高める。第2次大戦中,華北農村,北京工商ギルドの調査に従事。…

※「唐令拾遺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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