日本の城がわかる事典 「唐松城」の解説 からまつじょう【唐松城】 秋田県大仙市協和境にあった平山城(ひらやまじろ)。雄物川の支流の淀川右岸の段丘の上に築かれていた。築城時期、築城主はともに不明。1587年(天正15)に湊城(秋田市)の安東愛季(あんどうちかすえ)と角館城(仙北市)を本拠とする戸沢盛安の間に起こった唐松野合戦では、安東方の前進拠点として用いられたことがわかっている。このことから、檜山安東氏が仙北地方へ進出するために築いた拠点ではないかとも考えられている。ただし、大兵力が駐屯できるほどの城の規模はなく、監視や物見(偵察)の役割を持った砦だったのではないかともいわれている。現在、城跡には郭や虎口、堀切、畝堀の跡が残っており、「まほろば唐松・中世の館」が建てられているほか、一部は唐松神社の境内になっている。同神社の元宮が祀られている場所が、唐松城の主郭のあった場所である。なお、「まほろば唐松・中世の館」は城山の東麓に建設された観光スポットで、中世の居館をイメージした建物だが、唐松城を復元したものではない。JR奥羽本線羽後境駅から徒歩20分。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報