唐梅(読み)カラウメ

精選版 日本国語大辞典 「唐梅」の意味・読み・例文・類語

から‐うめ【唐梅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「からむめ」とも表記 )
  2. 植物ろうばい(蝋梅)」の異名。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「おさあい御かたへ、からむめ一つつみまいらせられ候よし、申候へく候」(出典:師郷記‐永享一三年(1441)六月紙背)
    2. 啼て青鷺夏を隣るらん〈嵐雪〉 童子礫を手折る唐梅〈其角〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)上)
  3. 梅の一品種の名。花は大輪というが、詳細不明。〔花壇綱目(1661‐73頃)〕
  4. 梅を図案化した模様の名。
    1. [初出の実例]「べにぞめにくくして、はしばしに、から梅・から松・から花・からくさ・からししをぬはせた」(出典:浄瑠璃・双生隅田川(1720)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の唐梅の言及

【ウメ(梅)】より

…その中に花弁の周辺が白く,中心部が紅色の鈴鹿の関があり,これは緋梅系の中では珍しい。唐梅(とうばい)も紅花で,古くからの銘品である。この実生変りで作出された緋梅系の品種は多い。…

※「唐梅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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