① ロウバイ科の落葉低木。中国原産で、江戸初期に朝鮮を経て渡来し、観賞用に植栽される。高さ約三メートル内外。葉は対生し、卵形で両面ともざらつく。早春、葉に先だって、径約二センチメートルの芳香のある六弁花が多数下向きに咲く。花被が多く内層は暗紫色で外層は黄色。漢名、蝋梅。からうめ。ナンキンうめ。《 季語・冬 》
[初出の実例]「谷が名をつけて蝋梅と云て人が賞玩するぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)五)
② 香木の名。分類は寸聞多羅(スモタラ)。香味は酸甘辛。六十一種名香の一つ。〔建部隆勝香之筆記(香道秘伝所収)(1573)〕