唱え言(読み)トナエゴト

デジタル大辞泉 「唱え言」の意味・読み・例文・類語

となえ‐ごと〔となへ‐〕【唱え言】

まじないにとなえる言葉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唱え言」の意味・わかりやすい解説

唱え言
となえごと

目に見えない神霊に対して加護を求めて発せられる文句。唱え言は,小正月の成木責め七草,節分,田打ち正月など,年中行事のなかに多くみられる。その文句は全国的にだいたい共通しており,なかには問答形式をとる事例もある。たとえば茨城県では,正月七草に女性が「七草なくな,唐土のからすが渡らぬうちに,トントントン,ストロントン,ストロントン」といって包丁の裏でまな板を3回たたいてから七草をきざむという。唱え言によく似たものに,諺,童言葉,呪文があるが,諺は人間に対していわれる言葉であり,童言葉はその発生時においては信仰はなく,また呪文は個人の秘伝が多いなどの点で唱え言とは異なる (→童唄 ) 。唱え言は本来集団共有のものであったが,なかにはすでに意味不明となったものもある。

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