商業興信所(読み)しょうぎょうこうしんじょ(英語表記)mercantile agency

日本大百科全書(ニッポニカ) 「商業興信所」の意味・わかりやすい解説

商業興信所
しょうぎょうこうしんじょ
mercantile agency

企業や商工業者の営業状態、人物経歴世評などを依頼を受けて調査する機関。広く一般から依頼を受けて報酬を受け取るものと、もっぱら会員のために調査を行う会員組織のものとがある。業務内容は次のごとくである。(1)一般または会員からの依頼事項につき、敏速かつ秘密裏に調査をして回答する、(2)倒産、支払い停止、不渡り、重要な訴訟提起など取引に重要な影響を及ぼす事件について、審問結果を待つことなく会員に警告する、(3)日報週報月報などにより諸種の信用情報を会員に定期的に提供する、(4)信用情報を販売し、人名録などを刊行する、(5)秘密情報を会員に閲覧させる、などである。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の商業興信所の言及

【興信所】より

…第三者の委託によって,個人または法人の経歴,人物,性向,行状,財産状態,事業の種類・性質,組織・経営・業務の現状などを調査し,その結果を報告することを業務とする機関。結婚や就職に際して,個人の身上を調査することもあるが,本来の主要業務は,商取引上の相手方の信用状態を調査することにあり,そのため商業興信所(mercantile) credit agencyともいう。18世紀後半にイギリスで発生したとされるが,ひろく普及するようになったのは,イギリス人のペリーが開業した1830年ごろからで,それ以降は,おりしも経済恐慌が兆していたアメリカにもひろがり,さらに資本主義経済が発展するにしたがって,その必要性が高まった。…

※「商業興信所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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