問答学校(読み)もんどうがっこう(その他表記)catechetical school

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「問答学校」の意味・わかりやすい解説

問答学校
もんどうがっこう
catechetical school

2~4世紀頃を最盛期として,エジプトアレクサンドリアを中心に普及したキリスト教会の教育機関。純宗教教育を目的としたカテクメートと異なり,異教徒をもキリスト教信者に導く教育を施した。カテキズム (教理問答) と講義を主とし,ギリシア哲学,自然科学,ギリシア文学,修辞学文法など,当時の世俗的な科目も教えた。4~5世紀に修道院学校や司教座聖堂付属学校などが成立発展すると,そのなかに吸収され,次第に消滅した。

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世界大百科事典(旧版)内の問答学校の言及

【宗教教育】より

… キリスト教を国教と事実上公認した392年のテオドシウス帝の勅令以後,西欧は宗教的にはキリスト教に統一され,国家権力によって支持されたキリスト教会による教育の独占が始まった。キリスト教の教義の初歩を教える学校である問答学校catechumenal schoolは,異教徒をキリスト教徒として洗礼することを目的に2世紀ころ起こり,国教化後の5世紀に最盛期を迎えるが,教会学校が発達してくると,8~9世紀に消滅する。6世紀になるとベネディクト会など各種の修道会が創設され僧侶の養成にあたったが,8世紀ころから世俗の子どもをうけいれて教育にあたった。…

※「問答学校」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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