嘉久志村(読み)かくしむら

日本歴史地名大系 「嘉久志村」の解説

嘉久志村
かくしむら

[現在地名]江津市嘉久志町

郷田ごうだ村の西側にあり、北西は日本海。南東久保川くぼかわ村。永徳元年(一三八一)一一月三日大内満弘は和田士貞御坊に「都野郷内加久志村半分」を安堵しているが(古証文)、戦国期には三隅氏の勢力下に置かれたようで、永正六年(一五〇九)八月三日には三隅興兼が「かくし宇屋賀」の内の一部を岡本氏に与えており(岡本文書)、同月二四日の岡本氏知行書立(同文書)にも「江津之内かくし」とみえる。中世期末は出雲の尼子氏との関係が深かったが(日御碕神社文書)、慶長七年(一六〇二)八月中河忠兵衛を奉行として検地が行われた(「石州中野郡郷之内賀久志村御縄打水帳写」江津市立図書館蔵)。山陰道は江川の渡を経て土床つつとこ坂へ出る。石見銀山領と浜田藩領の境界にあたる土床坂には「従是西浜田領」の標柱が建てられ、銀山領と浜田藩の引継場となっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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