① マツ科の常緑高木。本州、四国、九州の主として海岸地方に野生するが、広く植林され、庭木にもする。幹は高さ三〇メートル、直径一メートルぐらいになる。樹皮は黒灰色で亀甲(きっこう)状の割れ目を生じる。枝には長さ六~一五センチメートルの二本の針葉が対になって叢生する。雌雄同株。四月ごろ、新枝の頂端に球状で紫色の雌花をつける。雄花は枝の基部に群生する。球果(松かさ)は長さ五~七センチメートル、径約三センチメートルの卵状円錐形。材は建築・器具・パルプ・薪炭材に用いられ、幹からは松脂(まつやに)をとる。おまつ。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕