噴門弛緩症(読み)ふんもんしかんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「噴門弛緩症」の意味・わかりやすい解説

噴門弛緩症
ふんもんしかんしょう

下部食道括約筋の緊張低下によって常時噴門部が十分に閉じないため、胃内容が食道に逆流して逆流性食道炎の症状、すなわち胸やけ、後胸骨痛、嚥下(えんげ)困難、逆流感などがみられるもの。体位の変動によって症状が変化し、逆流や食道炎がX線検査や内視鏡検査などによって証明され、下部食道の圧低下が確認されれば診断が決定する。過食を避けたり、胃食道反射を起こさない食事や体位を心がけるなどの対症療法のほか、外科的治療として人工的に逆流防止弁をつくる噴門形成術が広く行われる。

 また、新生児や乳児にはこのような噴門不全状態にあるものが多く、噴門食道逆流症候群と総称されている。出生時より少なくとも8週以内に嘔吐(おうと)がよくみられるが、成長とともに改善され、幼児期には正常になる場合が多い。

 しかしながら、病態の解明が進むとともにこの名称「噴門弛緩症」は使われなくなり、現在では胃食道逆流症GERD:gastroesophageal reflux disease)に含まれる。

[掛川暉夫・北川雄光]

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