嚶鳴雑誌(読み)おうめいざっし

改訂新版 世界大百科事典 「嚶鳴雑誌」の意味・わかりやすい解説

嚶鳴雑誌 (おうめいざっし)

明治時代,自由民権期の政論雑誌。1879年10月25日,沼間守一(ぬまもりかず)主宰の政治結社嚶鳴社を母体に創刊された。初期のころは末広重恭校閲で,沼間,末広,青木匡ら嚶鳴社メンバーの政談演説草稿を収録。自由民権運動高揚とともにその言論の一舞台となり月5回刊まで発展,部数も増加したが,83年5月10日に75号で終刊し,《東京輿論新誌》と合併後期は島田三郎校閲で,終刊時には旬刊
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「嚶鳴雑誌」の意味・わかりやすい解説

嚶鳴雑誌
おうめいざっし

明治時代の啓蒙(けいもう)雑誌。1879年(明治12)10月創刊。75号(83年5月)で終刊。発行所は求友社、28号より嚶鳴雑誌社。沼間守一(ぬまもりかず)、青木匡(あおきただす)、肥塚龍(こいづかりゅう)(1848―1920)ら嚶鳴社社員の所論の掲載を主としたが、広く門戸を開き、民権派の多様な意見、演説・討論筆記、時論を収載、また欧米近代思想を紹介して、民権運動に大きな影響を与えた。1883年6月『東京輿論(よろん)新誌』と合併。現存59冊(東京大学明治新聞雑誌文庫蔵)。

[安在邦夫 2016年3月18日]

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