四箇郷一里塚(読み)しかごういちりづか

国指定史跡ガイド 「四箇郷一里塚」の解説

しかごういちりづか【四箇郷一里塚】


和歌山県和歌山市新在家にある近世の交通遺跡。和歌山城の外濠に架かる京橋を起点として、1里(約4km)の距離に設けられた道標。南塚と北塚が残っており、1940年(昭和15)に国の史跡に指定された。1981年(昭和56)に発掘調査が行われ、一里塚の大きさは北側のものが基底面積約50m2、高さ2.7m。南側が約40m2、高さ1.8mであることが判明した。1619年(元和5)、和歌山の城主として徳川頼宣(よりのぶ)が入国すると、城廓の規模を拡張して城下町の整備にとりかかったが、その時、当時の上方街道であったこの道路を整備し、道の両側松並木をつくり、一里塚を築いた。藩主参勤交代で江戸に赴く時、藩士たちはここまで来て一行を見送り、帰国の時もここで出迎えたという。一里塚が設けられた地点については知ることができても、塚の状態で保存されているものはきわめて少ない。塚のほぼ中央には黒松の老樹が植えられていたが枯死したため、1993年(平成5)に新たに植樹された。JR阪和線紀伊中ノ島駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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