改訂新版 世界大百科事典 「図形処理」の意味・わかりやすい解説
図形処理 (ずけいしょり)
コンピューターによる視覚情報の処理技術であるコンピューターグラフィックスのうち,主として幾何学的図形を対象とする分野をいう。平面上の図形を対象とする二次元処理,立体図形を対象とする三次元処理があり,いずれも線分,円弧,各種曲線,あるいは平面,曲面をパラメーターで定義し,これらの集合として図形を表したものをコンピューターで処理する。
主要な用途はCAD/CAMの分野で,プリント基板設計製造,自動車,船舶,ビル,橋梁(きようりよう)の設計など広い分野に使用される。また,単純な図面作成用のみでなく,構造,振動,熱,運動,流体力学などの各種解析をコンピューター処理で行うことが可能になる。また,DNAなどの高分子化合物の分子配列立体モデルをコンピューターにより作成し,図形表示装置で表示するなど,教育,研究の分野での応用も重要である。
→CAD
執筆者:林 英治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報