CAD(読み)キャド

デジタル大辞泉 「CAD」の意味・読み・例文・類語

キャド【CAD】[computer-aided design]

computer-aided designコンピューターを利用して行う機械や構造物の設計製図。また、その機能を組み込んだコンピューターシステムソフトウエアをさす。このデータをもとに、数値制御(NC)の工作機械を操作するCAMキャムと併せて用いられることが多いので、まとめてCAD/CAMキャドキャムとよばれることもある。シーエーディー。コンピューター援用設計コンピューター支援設計

シー‐エー‐ディー【CAD】[Canadian dollar]

Canadian dollarISOで定義された通貨コードの一。カナダドルのこと。

シー‐エー‐ディー【CAD】[computer-aided design]

computer-aided design》⇒キャド

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改訂新版 世界大百科事典 「CAD」の意味・わかりやすい解説

CAD (シーエーディー)

computer aided designの略。計算機支援設計と訳され,設計者が設計用の道具としてコンピューターを利用して行う設計をいう。CADでは,設計を行う主体は人間であり,コンピューターは単に,設計者の行う設計作業を援助し能率化するための道具として使われる。これに対して,設計方法が明確に記述できるような限られた対象については,コンピューターによる自動設計が可能である。これは,DA(design automationの略)と呼ばれ,CADとは区別されている。一方,製造工程でのコンピューターの利用も考えられ,これは,CAM(computer aided manufacturingの略)と呼ばれている。

 一般的な設計の過程を図に示す。設計過程では,要求仕様に対して,既存の技術や知識を活用し,対象製品のイメージを明確化し具体化していく試行錯誤による作業が行われる。作業の対象は,設計対象物のモデルであり,このモデルの完成によって設計が完了する。このモデルは,通常図面や模型あるいは設計ドキュメントによって表現され,したがって設計の実際作業としては,製図や模型製作,ドキュメント作成などの作業が大きな割合を占めることになる。

 CADの歴史は比較的新しく,研究は1960年代の初期から始まっているが,本格的な実用期を迎えたのは70年代の後半に入ってからである。このCADの実用化は,コンピューターグラフィックス技術の発達によってもたらされたものであるといってよい。その理由は,設計で扱われるデータは図形データが中心になっており,図形によるマン・マシンの情報交換が行えることや,図形データを高速に処理できることが,設計においてコンピューターを効率よく利用できるための必須の要件であるためである。

 現状のCADは,図に示した設計過程の全体を機械化できるまでには至っておらず,コンピューターの用途は大きく次の二つに限定されている。すなわち,一つは,製図の自動化であり,他の一つは,モデルの特性を解析したり性能を評価したりするためのシミュレーションである。CADの次の発展ステップは,明らかに,設計の全過程でのコンピューター利用を可能にすることであり,また,コンピューターによる設計データの一元管理,一元処理を実現することである。そのためには,次の二つの課題について研究開発を進めることが必要とされる。一つは,設計対象物のモデルの構築を含めて設計の全プロセスをそのままコンピューター上にシミュレートするようなシステムを実現して設計データの一元処理を可能にすることであり,他の一つは,設計で必要となる各種の技術データを一元管理できるいわゆるエンジニアリングデータベースを実現することである。このような考え方に基づくシステムは,CAE(computer aided engineeringの略)と呼ばれ,現在,その実現を目ざした研究開発が盛んである。
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百科事典マイペディア 「CAD」の意味・わかりやすい解説

CAD【シーエーディー】

computer aided designの略。コンピューター援用(または支援)設計と訳され,〈キャド〉とも。設計者が設計用の道具としてコンピューターを利用し,会話形式で行う設計をいう。CADでは設計の主体は人間であり,コンピューターは作業を援助し能率化するための単なる道具であり,コンピューターによる自動設計が可能なDA(design automation)とは異なる。CADはキーボード,デジタイザ,ライトペン,画像入力装置,自動製図機プロッターなどの入出力装置や外部記憶装置などの端末装置およびコンピューターで構成される。プリント基板をはじめ機械部品,建物構造物などあらゆる設計分野に適用され,多品種少量生産の要請に対応し重要な役割を果たしている。 一方,製造工程でのコンピューターの利用がCAM(computer aided manufacturingの略)で,自動加工,自動搬送など,機械生産および生産工程をコンピューター制御するシステムをいう。CADの発展としてコンピューターによるデータの一元管理,一元処理のために,設計の全プロセスをコンピューター上にシミュレートして性能評価等を行い,結果に応じてフィードバックするCAE(computer aided engineering,コンピューター援用エンジニアリング)も開発されている。
→関連項目建築設計コンピューターグラフィックスCAECAM製図機械製図用具プロッター

CAD【キャド】

CAD(シーエーディー)

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知恵蔵 「CAD」の解説

CAD

2003年6月に始まったフランスの農業環境政策。基本的な枠組みは1997年のフランス新農業法で採用されたCTE(経営に関する国土契約)と類似。CTEは「環境・国土」及び「投資・雇用」の2つの側面について国と農業者との間で契約を取り交わし、その取り組みに伴う所得減少を平均で10a当たり約2700円補償していた。CADでは農場単位で経営改善を図る農業者と県知事との間の契約に対して助成金を支払う。改善内容や助成金単価は、県の条例がEU理事会規則の枠内で定める。有機農業の導入など環境的事項は必須で環境重視を明確に打ち出したほか、社会経済的措置の自由選択制、上限額の設定などを新たに導入した。全県レベルの標準契約と県内小地域の地域標準契約の2形態がある。1県当たりの平均助成額は2万7000ユーロ以下、支払い期間は5年間。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

IT用語がわかる辞典 「CAD」の解説

キャド【CAD】

コンピューターを使って製品や建築物の設計・製図を行うためのシステム、およびソフトウェア。主に工業デザインを対象とするものを「CAID(ケイド)」という。◇「computer-aided design」または「computer-assisted design」の頭文字から。「コンピューター支援設計」「コンピューター支援デザイン」ともいう。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「CAD」の解説

CAD

コンピューターを使って設計・デザインすること。コンピューター支援設計とも呼ばれる。機械用、建築用、建築設備用、土木用、電気用、回路用、基板用、半導体回路分野などさまざまな分野用に各種のCADソフトウェアが用意されている。また、従来は製品の断面図を作成し、製図用途に応用する2次元CADが主流だったが、近年は3次元図形処理を行い、立体状の製図を直接操作する3次元CADが主流である。

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「CAD」の解説

キャド【CAD】

コンピューターを使って設計製図を行うこと。コンピューターの計算能力や記憶機能を利用して、正確で速い作図作業ができる。複雑な計算を要する構造設計や、同一仕様の部材を多量に用いるオフィスビルなどの設計に有効。コンピューターグラフィックス(CG)による透視図、街並みや景観のシミュレーションなどにも用いる。◇「computer-aided design」の頭文字。

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内科学 第10版 「CAD」の解説

CAD

cold agglutinin disease,寒冷凝集素症

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「CAD」の意味・わかりやすい解説

CAD
シーエーディー

「CAD/CAM」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のCADの言及

【CAD/CAM/CAE】より

…CAD(Computer Aided Designの略)は,計算機支援設計と訳され,設計者が設計用の道具としてコンピューターを利用して行う設計をいう。CADでは,設計を行う主体は人間であり,コンピューターは単に,設計者の行う設計作業を援助し能率化するための道具として使われる。…

※「CAD」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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