国楽院(読み)こくがくいん(英語表記)Kugagwǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国楽院」の意味・わかりやすい解説

国楽院
こくがくいん
Kugagwǒn

朝鮮の民族音楽 (雅楽郷楽) の保存,継承発展のための事業を行う韓国の国立音楽機関。ソウル奨忠堂の南山中腹にある。百数十人の国楽師と付設国楽師養成所が傘下にあり,演奏室,楽器陳列室,資料室など近代施設をもち外賓接待,海外演奏,国楽の普及などの事業を行う。 1950年1月 19日国立国楽院職制公布と 54年 10月1日付設養成所の法令公布により運営開始。養成所は中・高等部から成り,おのおの3年制で男女児 60名が定員。入所後は学費教材制服,奨学金が全員に無償で給付され,卒業生はソウル大学国楽科に入る資格が得られる。 55年第1期生入学以後毎期募集。卒業生が現在国楽界の中心的役割を果している。

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世界大百科事典(旧版)内の国楽院の言及

【朝鮮音楽】より

…(7)1945年以後 朝鮮は二分され,それぞれ独自の民族音楽の確立と発展の道を歩んでいる。大韓民国は,朝鮮戦争で発足が遅れたが,李王職雅楽部を母体として1951年に国立国楽院を設立した。国楽院は,雅楽だけでなく,あらゆる種類の伝統音楽の復興,保存,育成,発展をめざし,その分野は,文廟・宗廟などの祭礼楽,唐楽系と郷楽系の宴礼楽,吹打(軍楽)をはじめ,歌辞,時調,巫楽,農楽,散調,梵唄,パンソリ,雑歌,民謡にいたるまで,研究,教育,演奏そして創作活動を行っている。…

※「国楽院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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