ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際収支説」の意味・わかりやすい解説
国際収支説
こくさいしゅうしせつ
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…外国為替(たとえばドル)に対する需要・供給について考えるとき,それらを一定期間あたりのフロー量として考えるか,一時点のストック量として考えるかを区別することが重要である。前者はフロー・アプローチと呼ばれ,とくに国際収支というフロー変数を問題にするため国際収支説とも呼ばれる。また,後者のストック・アプローチは,外国通貨建ておよび自国通貨建ての金融資産の取引に注目するため資産市場アプローチと呼ばれる。…
…この問題はどのような国際通貨制度がとられているかに大きく依存し,18世紀のD.ヒュームをはじめとする金本位制のもとでの古典的な理論から国際通貨制度の変革とともに発展してきた。変動相場制のもとでの為替レートの決定理論も,国際収支の均衡によるとするもの(国際収支説)から,マネタリー・アプローチ,アセット・アプローチ(資産市場アプローチ)などのストック面での決定を重視する理論に変わりつつある(為替理論)。国際取引を円滑に行わせる制度を確立することは世界経済の効率的な運営のために不可欠であり,それは国際間での経済的・政治的課題になっている。…
※「国際収支説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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