世界の諸国民が国を超えて理解し合い、互いに人間として尊敬と信頼をもって協力し、世界の平和を実現することを理念とした教育。その理念は中世にまでさかのぼるが、第2次世界大戦後はユネスコによって推進されてきた。当初は、「世界市民の教育(education in world citizenship)」「世界共同社会に生活するための教育(education for living in a world community)」などの言葉が使われていたが、1953年に「国際理解と協力のための教育」という言葉が登場した。さらに74年の第18回ユネスコ総会で「国際理解、国際協力及び平和のための教育ならびに人権及び基本的自由に関する教育についての勧告」が採択され、内容が拡大した。これが今日の国際理解教育を考える中心的な土台となっている。