土取村(読み)つちとりむら

日本歴史地名大系 「土取村」の解説

土取村
つちとりむら

[現在地名]久井町土取

世羅台地の南端、備後国との国境にあたる安芸国豊田郡の北東部に位置する。北西から流れる沼田ぬた川の支流仏通寺ぶつつうじ川が村の南部の急崖で滝(仏通寺の滝)を形成して仏通寺谷(現三原市)へ流れる。東の坂井原さかいばら村の近くに須恵器が出土するとびのこいけ窯跡、北部の丘陵南面に大坪おおつぼ古墳、西部丘陵上に坂本さかもと古墳がある。古代の山陽道は坂井原村から当村を横断して南の真良しんら(現三原市)馬井うまい谷に至っていた。「豊田郡誌」は、当村はもと「土倉郷」のうちで、天正四年(一五七六)以前に分村したと記す。

元和五年(一六一九)の安芸国知行帳によると高一四〇・〇八石。「芸藩通志」には、高一七七石、畝数一九町九反とあり、「高坂村誌」には毛付高一五〇・四四八石、全村が明知と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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