坂井原村(読み)さかいばらむら

日本歴史地名大系 「坂井原村」の解説

坂井原村
さかいばらむら

[現在地名]久井町坂井原

下津しもつ村の南に位置する御調郡の村。南に標高六一〇・二メートルの大峰おおみね(鷹羽・高羽)山がそびえる。世羅台地南端にある大村で「堺原」「境原」とも書き、南西部で安芸国と接する。村の東寄りを北から南東流する芦田あしだ川の支流御調川(久井川)流域乗重のりしげ(則重)谷・室町むろまち谷・三反田さんだんだ谷・熊原くまばら谷があり、西寄りの平坦地を東流する御調川の支流域に、南からかみ組・中組・下組があり、北に重宗しげむね谷・坊蔵ぼうそう谷・うしろ谷、大峰山の北側山麓にトチ谷がある。

村の西南部にある龍見りゆうけん寺付近の塚山つかやまに塚ん山古墳、北部の下組丘陵面に須恵器の窯跡居舟いぶね窯跡がある。南部を東西に古代の山陽道が通じ、平安時代中期には、藤原師輔の所領荘園であるさかい庄に属したと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報