朝日日本歴史人物事典 「土御門泰重」の解説
土御門泰重
生年:天正14.1.8(1586.2.26)
江戸初期の陰陽家。土御門久脩の子。織田信長の弟信包の娘を妻とする。父親の久脩と共に徳川家康に仕え,公家昵懇衆であり議奏衆に加えられる。中務少輔,左衛門佐,左衛門督,天文博士を歴任する。後水尾天皇の近臣であり,国母の中和門院(前子)の信頼を得て,幼い皇弟の読書師範を務める。土御門家が天文道と暦道を兼帯していたのを,元和2(1616)年に暦道を幸徳井家に譲った。寛永12(1635)年に従三位に叙せられ,のちに従二位に昇進する。徳川家綱,後光明天皇,後西天皇のために即位を祝う天曹地府祭を執行した。陰陽道の再興に尽力した。<著作>『泰重卿記』<参考文献>『陰陽道叢書 近世』
(林淳)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報