朝日日本歴史人物事典 「地獄大夫」の解説 地獄大夫 室町時代の泉州堺(大阪府堺市)の伝説的遊女。堺高須町珠名長者の囲いものといわれる。梅津嘉門景清の娘であったが,如意山中において山賊にかどわかされ,美貌のゆえに遊女として売り飛ばされる。現世の不幸は前世の戒行のつたなさゆえとして,来世での往生のために,自らを地獄と呼び,地獄変相図を描いた衣をまとい,自らに施すところなく,悟りの境地で仕事に励んだという。堺に赴いた一休宗純に会ったとき,「門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」との歌を贈り,一休を感動させたという話は有名。<参考文献>山東京伝「地獄信解品」(『本朝酔菩提全伝』) (小松和彦) 出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報 Sponserd by