坤宮官(読み)こんぐうかん

精選版 日本国語大辞典 「坤宮官」の意味・読み・例文・類語

こんぐう‐かん‥クヮン【坤宮官】

  1. 〘 名詞 〙 皇后宮職中宮職)の改称恵美押勝藤原仲麻呂)は孝謙天皇の天平勝宝元年(七四九)に皇后宮職を改めて紫微中台とし、淳仁天皇の天平宝字二年(七五八)紫微中台を改めて坤宮官と称した。天平宝字八年押勝が誅殺されて官名は旧に復した。
    1. [初出の実例]「一日九十六貫九百五十文自坤宮官所請」(出典正倉院文書‐天平宝字五年(761)造法華寺金堂所解案)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の坤宮官の言及

【皇后宮職】より

…このときの皇后宮職は四等官の下に史生,舎人,奴婢等を所属させていたほか,造仏所,掃部所,染所,浄清所,勇女所などの付属官司をもっていた。この皇后宮職は光明子が749年(天平勝宝1)皇太后となると紫微中台(しびちゆうだい)となり,やがて光明子とむすんだ藤原仲麻呂が758年(天平宝字2)の橘奈良麻呂の変以後権力を独占してからは,坤宮官(こんぐうかん)と一時名称を変えた。皇后宮職の管理する皇后宮の財源としては封戸と荘園とがあって,その経済的基盤をなしていた。…

【紫微中台】より

…仲麻呂はこの紫微中台を利用してみずからの権力を築いていったものとされている。758年(天平宝字2)に紫微中台は坤宮官(こんぐうかん)と改称し,761年に廃止された。職掌は皇后宮職と同じで,光明皇太后の啓令(伝達)を第一とし,その下部機構に皇太后宮の営みをささえる組織がつくられていた。…

※「坤宮官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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