ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「堀米雄斗」の意味・わかりやすい解説
堀米雄斗
ほりごめゆうと
スケートボード選手。2021年東京オリンピック競技大会で初めて採用された,スケートボード競技の男子ストリート種目で初代の金メダリストとなった。また 3年後の 2024年パリ・オリンピック競技大会でも競技の終盤で大技を決め,2大会連続で表彰台の頂点に立った。
ストリートスケートボーダーの父の影響で,幼少期よりスケートボードに親しむ。7歳の頃には都内のスケートパークに足しげく通い,そこでバランス感覚を身に着け,トリック(技)を学ぶなど技術を磨いた。2015年開催の競技大会「ワイルド・イン・ザ・パークス」Wild in the Parks(ボルコム Volcomとザ・ベリックス The Berricsの共催)で 2位に入り,翌 2016年にロサンゼルスに活動の拠点を移す。2017年5月,バルセロナで開催された世界最高峰の競技会シリーズ,SLS選手権(SLS; Street League Skateboarding)で国際デビューを果たし,18歳と最年少ながら 3位につけて表彰台に立つ。翌 2018年には日本人として初めて SLS選手権(ロンドン)で優勝し,同年のロサンゼルスでの SLS選手権も制する。2019年,ミネアポリスでの Xゲーム(→エクストリーム・スポーツ)とロサンゼルスでの SLS選手権に優勝。2021年,ローマで開かれた世界選手権で 2010年代を代表するアメリカ合衆国のスケートボーダー,ナイジャ・ヒューストンを破って優勝した。
2021年東京五輪では,45秒間自由に動き回って技を競う 2回の「ラン」を終えて 4位につけ,一度の大技で勝負する 5回の「ベストトリック」の 4回目試技で,体を 270°回転させながらレールに跳び乗り,ボードの先端(ノーズ)で滑り降りる「ノーリー・バックサイド270ノーズスライド」をみごとに決めて金メダルを獲得した。パリ五輪では,7位で迎えたベストトリックの 5回目最終試技で,さらに高難度の「ノーリー・バックサイド270テールブラントスライド」を成功させ,大逆転を果たした。
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