堅塩(読み)カタシオ

デジタル大辞泉 「堅塩」の意味・読み・例文・類語

かた‐しお〔‐しほ〕【堅塩/固塩】

精製してない固形の塩。きたし。
「寒くしあれば―を取りつづしろひ」〈・八九二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「堅塩」の意味・読み・例文・類語

きたし【堅塩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 精製しない固まった塩。かたしお。
    1. [初出の実例]「塩の名を称(いは)むことを諱(い)みて、改めて堅塩(キタシ)と曰ふ」(出典日本書紀(720)大化五年三月(北野本訓))
  3. 内宮の御浜出の時に、干鮑(ほしあわび)に添えて饗する塩をいう。〔和訓栞(1777‐1862)〕

堅塩の語誌

( 1 )固くする意の動詞「きたす」があって、その連用形「きたし」に「しほ」の付いた「きたししほ」の下略とする説がある。
( 2 )中古以降は、「かたいしほ」あるいは「かたしほ」が一般化し、「きたし」は用いられなくなる。


かた‐しお‥しほ【堅塩】

  1. 〘 名詞 〙 かたまりになっている精製していない塩。かたい塩。きたし。⇔沫塩(あわしお)
    1. [初出の実例]「すべもなく 寒くしあれば 堅塩(かたしほ)を 取りつづしろひ」(出典:万葉集(8C後)五・八九二)

かたい【堅】 塩(しお)

  1. かたしお(堅塩)
    1. [初出の実例]「小舎人童ばかりとどめたりけるに、かたいしほさかなにして酒をのませて」(出典:大和物語(947‐957頃)一七三)

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