小舎人童(読み)コドネリワラワ

精選版 日本国語大辞典 「小舎人童」の意味・読み・例文・類語

こどねり‐わらわ‥わらは【小舎人童】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 公家や武家につかわれて、身辺の雑用をつとめた召使いの少年をいう。
    1. [初出の実例]「こどねりわらは、ちひさくて髪いとうるはしきが」(出典:枕草子(10C終)五四)
  3. 特に平安時代近衛中将、少将などが召し使った童子。牛車の先などに立つ。
    1. [初出の実例]「ことねりわらはをはしらせて、すなはち車にてまめなるものさまざまにもてきたり」(出典:大和物語(947‐957頃)一七三)
  4. 江戸時代の小人(こびと)、小者(こもの)をいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の小舎人童の言及

【小舎人】より

…(3)公家・武家を問わず,貴人の身辺に侍し雑用をつとめた少年。〈小舎人童〉ともいう。平安時代に,主として近衛中将や少将が召し使い,牛車の前に立たせたりする例がよく知られている。…

【童】より

… 実際には児童の域を超えているにもかかわらず〈童形〉姿のままで生きた人々もいて,これもやはり童・童子と呼ばれた。牛車(ぎつしや)を扱った〈牛飼童(うしかいのわらわ)〉もその一例であるが,ほかには公家・武家に仕えた小舎人童(こどねりわらわ)も児童(少年)に限らず,さらには大寺院には〈稚児(ちご)〉とは別に,〈堂童子(どうどうじ)〉など〈童子〉と呼ばれる人々がおり,〈童形〉であった。また,京都の北,八瀬(やせ)の地には往古〈八瀬童子〉と称される集団があり,男女を分かたず長髪の〈童形〉姿であった。…

※「小舎人童」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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