報国寺(読み)ほうこくじ

日本歴史地名大系 「報国寺」の解説

報国寺
ほうこくじ

[現在地名]鎌倉市浄明寺

浄妙じようみよう寺の南、宅間たくまやつにある。臨済宗建長寺派。功臣山建忠報国寺という。開山天岸慧広。本尊釈迦如来開基は「五山記考異」や「鎌倉志」などは足利家時とするが、寺蔵「報国寺記」は「上椙左京亮重兼道序庵主、建武元年、建立報国寺」と伝え、「上杉系図」にも重兼の項に「建報国寺」と記す。「足利系図」によれば家時は文保元年(一三一七)切腹とあり、建武元年(一三三四)創建説をとるならば開基は上杉重兼とするべきであろう。「殿中以下年中行事」には御寺焼香といって毎年二月に関東公方が足利氏菩提寺に参詣していたことを伝えるが、そのなかに当寺はみえず、足利氏開基ではない可能性が強い。

開山慧広は建武二年没。諡号仏乗禅師。慧広の塔所を休畊きゆうこう庵という(本朝高僧伝)。「報国寺記」によると慧広のあとを嗣いだ虎渓元義は準開山といわれ、その塔頭を万休庵といったらしい。寺格としては、諸山に列せられていた。「空華集」に大岳妙積が当寺に住した時の疏があるが、妙積が首座位から当寺住持に転じていることから、この時にはすでに諸山となっていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「報国寺」の解説

報国寺

神奈川県鎌倉市にある臨済宗建長寺派の寺院、功臣山建忠報国禅寺の通称。1334年創建と伝わる。本尊は釈迦如来。竹の庭が有名で、竹寺とも呼ばれる。境内には足利一族の墓がある。

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