塩ノ沢峠
しおのさわとうげ
南牧村と多野郡上野村との境にあり、標高一〇六二メートル。磐戸から桧沢を経て上野村楢原に通じる。古くは北国からの塩の道と推定され、その後は下仁田町方面への繭や生糸が運ばれる絹の道となった。近世には楢原枝村の白井に関所が置かれた。周辺には御巣鷹山もあった。明和八年(一七七一)一月六日に当峠で野火が発生、この際に楢原村枝郷の塩之沢村から鷹見衆へ出した詫状(高橋文書)には「往来之商人数十人通仕候峠之儀」とあり、商人らの往来が多かった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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