北国(読み)ホッコク

デジタル大辞泉 「北国」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐こく〔ホク‐〕【北国】


北方の国。北方の土地。きたぐに。北州
北陸道諸国
越前の国よりはじめて―の勢そろへて上るべし」〈平治・中〉
江戸城の北にあったところから》新吉原しんよしわら遊郭異称品川の「南国」に対していう。北。北州。
「あしたは―へいき山(=遊女)とおでかけなさりませ」〈黄・栄花夢

きた‐ぐに【北国】

北の方にある国。北方の地方

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「北国」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐こくホク‥【北国】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 北方の国。また、北方の土地。北州。〔日葡辞書(1603‐04)〕 〔詩経大雅・韓奕〕
    2. 特に、北陸道の諸国。東山道出羽国を含む場合もある。
      1. [初出の実例]「東国・北国のそむくだにあるに」(出典:平家物語(13C前)六)
  2. [ 2 ] ( 江戸城の北にあたるところから ) 江戸新吉原遊郭の異称。北郭。品川の遊里を南国などというのに対していう。北方。北地。北州。
    1. [初出の実例]「平日放埒ものなりしが〈略〉其魂、西国まった北国(ホッコク)の方へ飛行するとぞ」(出典談義本・化物判取牒(1755)一)

きた‐ぐに【北国】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 北方の国。また、北方の土地、地方。ほっこく。
    1. [初出の実例]「今は昔、丹後の国は北ぐににて、雪深く、風けわしく侍やまでらに、観音験(げん)じ給ふ」(出典:古本説話集(1130頃か)五三)
  3. 北陸道の国々。すなわち、若狭、越前、加賀能登越中越後佐渡など。ほっこく。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の北国の言及

【北陸地方】より

…本州中央部の日本海沿岸地方。古代の北陸道の地域で〈ほくろく〉,〈越(こし)の国〉,〈北国(ほつこく)〉とも呼ばれた。福井,石川,富山,新潟の4県を指し,北陸3県という場合には新潟県を除く。…

※「北国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android