塩化セレニニル(読み)エンカセレニニル

化学辞典 第2版 「塩化セレニニル」の解説

塩化セレニニル
エンカセレニニル
seleninyl chloride

SeOCl2(165.87).塩化セレニル(selenyl chloride),オキシ塩化セレン,塩化酸化セレン(selenium chloride oxide)ともいう.二酸化セレンに塩化水素を通じ,生じたSeO2・2HClに五酸化リンまたは濃硫酸を加えて脱水しつつ真空蒸留すると得られる.室温で発煙性のある液体.融点10.8 ℃,沸点176.4 ℃.密度2.42 g cm-3.CCl4,CS2,ベンゼンなどに易溶,石油エーテルに不溶.水に触れると加水分解してH2SeO3とHClになる.KCl,NaCl,BaCl2,FeCl3などをよく溶かし,溶液は導電性がある.有機合成の塩素化剤として用いられる.腐食性があり,有毒で肺腫の原因となる.[CAS 7791-23-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android